2012年06月04日

建築家職能運動120年奮闘記 vol.30

 造家学会が設立された1886年(明治19年)の時点では、民間の設計事務所は存在していませんでした。辰野が日本で初めて開設した建築設計事務所も、それを支える社会的基盤もまだなく、また大学に戻るよう要請されたこともあって、まもなく閉鎖せざるをえなかったのもこの頃でした。また造家学会が発行するようになった「建築雑誌」の明治20年9月号では、滝大吉が臨時建築局の職を辞し民間建築師の業務を始めたと伝えていますが、工業史などの資料によると、滝が設計事務所を開設したのは1890年(明治23年)となっています。
 実際、1890年代には河合浩蔵、山口半六、横河民輔、三橋四郎、伊藤為吉、遠藤於菟らが設計事務所を設立していますが、実質的には1888年(明治21年)にコンドルが36歳にして開設した設計事務所が、日本で最初の民間設計事務所であったといえるのです。
松本 純一郎

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