2012年04月09日

建築家職能運動120年奮闘記 vol.23

 エンデとベックマンは、ベルリンで初めて民間の設計事務所を開いた建築家です。当時ドイツは1870年にビスマルクによって統一を果たしたばかりの新興国でした。それまでもベルリンを中心に日本と同じように官僚建築家が国家プロジェクトに携わっていました。エンデはベルリン工科大学教授も務めた、いわばプロフェッサーアーキテクト。一方ベックマンはベルリン建築家協会の会長を務め、協会の機関誌を創刊する等、建築ジャーナリズムを含め実務面や建築家の職能確立といった面でも活躍した建築家です。
そして日本から依頼された仕事は、彼らの生涯で最大のものでした。しかしながら、極端な欧化政策への批判による1888年(明治21年)の井上の失脚で、この壮大な計画は頓挫してしまいます。実際に実現された彼らの建築は現在、霞ヶ関に法務省本館として保存再利用されている司法省の建物と、今はなき裁判所だけでした。

松本 純一郎
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